お釈迦さまのご誕生
今から2500年前の古、お釈迦様は、ルンビニーという村にある、花々の美しく咲き誇る園林で、お生まれになりました。 お釈迦様のお母上、摩耶夫人は、ある夜、6本の金色の牙を持つ真っ白な象が、 天の彼方から降りてきて、自分のお腹の中に入ってくる夢を見られました。驚かれた摩耶夫人が、王宮でその夢を話されたところ、ある預言者は、母胎に宿った王子は、将来、出家しなければ、天下を治める理想的な王となり、出家すれば、悟りを開いて仏陀となることを告げました。 出産の時期が近づくと、摩耶夫人は、御自身の古里に帰られることになりました。そして、その旅路の途上、ルンビニーの園に立ち寄られた際、摩耶夫人はお釈迦様をお生みになったのです。 お釈迦様が生誕されると、まるでそれを祝うかのように、天から恵みの雨が降り、大地は震動し、鳥のさえずりが響きわたり、草花は美しく咲き誇ったといいます。 時は、4月8日のことでした。
天上天下 唯我独尊
お釈迦様はお生まれになった直後、四方に七歩ずつ歩まれ、右手で天を、左手 で地を指され、
「天上天下 唯我独尊」
と高らかに宣言されました。これは、
「天にも地にも、佛と成ることのできる我が身ほど尊いものはなく、人間とし て生まれたことを、まず喜ぶべきである」
という意味です。
出家・悟り
幼い頃から何一つとして不自由のない生活を送られていましたが、ある日、人間には、どのようなものをもってしても解決できない根本的な苦しみがあることを悩まれ、その解決を求めて、29歳の御歳にて、地位・名誉・財産のすべてを投げ捨てて出家されました。
そして、6年間にわたり厳しい苦行を積まれた末、苦行は真の道ではないと、苦行をも捨て去って、35歳の御歳、12月8日、暁の明星が輝くとき、ブッダガヤの菩提樹の下にて悟りを開かれ、あらゆる苦を離れた真のやすらぎの境地に達せられました。
伝道の旅
お釈迦様は、それから45年間にわたる御生涯のすべてをかけて、ひたすら、自ら悟られた真実の道をあらゆる人々へ説き導かれました。
それは、生きとし生けるものすべてに幸福あれと願われるお釈迦様の広大無辺な慈悲の御心の表れに他なりません。
ご入滅
真実の道を自らの身をもって歩み、休むことなく人々へ説き続けられたお釈迦様は、80歳の御歳、2月15日にクシナガラの沙羅双樹の下にて、寂かに入滅されました。
私たちと同じ人間の身体を持って生まれ、私たちと同じく苦しみ悩まれた末、人間がこの世に生まれた目的、すなわち「大涅槃」に至る道を発見され、あらゆる人々のために、その大涅槃の姿を自らの身をもって示され、入滅されたのです。
その御教えは、弟子たちによって一言一句の誤りもなく膨大な経典としてまとめられ、インドの地から世界へ広まり、あらゆる人々へ真の幸福をもたらしたいとの、その御心と共に、現代に伝わっています。
「お釈迦様のお話」を通して
お釈迦様がおられたからこそ、仏教があります。仏教の原点である、お釈迦様のご生涯を通して、お釈迦様の教えを、学んでいきましょう。お釈迦様のご生涯を、もっと詳しく学びたい方は、こちらから。